17日目

わたしがこの職場に来る何ヶ月か前に、ここで清掃で働いていたおばあちゃん(70歳くらいで、とても小柄)が腰を悪くして手術をした。その人が最近、職場に顔を見せにやってきている。杖をつきつつ、でもこれは医者に言われたからついてるだけだよと言いたげな、カクシャクとした調子で、歩く。

周囲の人の反応は温かい。そんな無理せんでと言い、あんたがおらんようになってから出入り口のガラスを拭く人もおらんようになった、やっぱり居るのとそうでないのとではぜんぜん違う、等々。

ある種の共同体感。働く、というのはこういうことでもあるんだな、と。どこに住むかも、どんな仕事をするのかも、それは要するに、その人が帰属する主要な共同体を決定することなのだけれど、そんなこと、一度も考えたことがなかった気がする。対人恐怖や不安を言い訳にしてきたけれど、改めるべきなんだろうなあ、と。少し。改めるといっても具体的に何がどうというのは見当もつかないけれど。

で、その清掃のおばあちゃんは今日、リハビリ代わりになるからと、午前だけ勤務を再開することになり、さっそくトイレの掃除などをして、ちょっと満足そうなのだった。