週末読書

ゲーム理論のあゆみ

ゲーム理論のあゆみ

ゲーム理論の歴史を、著者の個人的な関わり・思い出も挟み込みつつ簡潔にたどる本。ゲーム理論の出発点である『ゲームの理論と経済行動』の著者はフォン・ノイマンとモルゲンシュテルンだけれども、フォン・ノイマンの方は20世紀最高の天才、というのが定評な一方で、モルゲンシュテルンについてはあまり聞いたことがない。だから、この人は誰なのだろう、と、失礼なことを思ってた。が、この本を読んでモルゲンシュテルンの「役回り」がよく分かった。フォン・ノイマンという大天才を、『ゲームの理論と経済行動』という巨大な仕事に引きずり込むには、この人が必要だったのだ。

みみずくは黄昏に飛びたつ

みみずくは黄昏に飛びたつ

村上春樹川上未映子が大変な準備をしてインタビューするがことごとくかわされる感じの本。川上さんも、ある程度逃げずに(?)直球で訊いてる部分も結構ある。その小説内部での女性の役割、扱い方についてとか。それにしても村上春樹は変な人だ。以下の引用のようなぺらんとした感じって、いかにも村上春樹だなあと思う。

僕は一人の自立した作家として、好きなペースで好きなようにこうして小説なんかを書いているわけだけど、経済システムという観点からすれば、「小説」というパッケージ商品を生み出している一人の生産者に過ぎないということになります。つまり僕は既に「村上春樹インダストリーズ」みたいなものの中に組み込まれていて、うちのアシスタントが何人かいて、出版社がいて、エージェントがいて、書店があって、アマゾンがあって……、みたいなことになっている。好むと好まざるとにかかわらず。で、僕は結局その「村上春樹インダストリーズ」の中の、生産担当ガチョウに過ぎないんですよね(笑)。産むのが金の卵か、銀の卵か、銅の卵か、それはよくわからないけど。そう考えるとわりに切ないかも。(pp.307-8)

ついでに私は、村上春樹だと以下が一番好きな気がする。

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)