2018-06-12

火曜。たまに雨。仕事(バイト)は滞りなく、というか、ほとんど何もすべきことなく終わる。ドライバーが主体の職場でドライバーでないというのは、要するに、大した仕事がないということだ。

ダニ・ロドリック『エコノミクス・ルール』をとりあえず最後まで。

市場に利する最も古く有力な非経済学的議論に、市場活動への従事によって人間の気質が穏やかになるというものがあった。アルバート・ハーシュマンが重厚な著書『情念の政治経済学』でわれわれに思い出させてくれたように、17世紀後半から18世紀の思想家は、利潤追求動機は、暴力や他者の支配への衝動のような根本的な人間の動機に抵抗するものだと論じていた。”doux” という用語(「穏和」を意味する)が「商業(commerce)」にしばしば付け加えられたのは、商業活動は上品で平和的な交流を促進すると示すためだった。

[…]

これら初期の哲学者たちは、効率性を高めたり物的資源を増やすためでなく、より倫理的で調和の取れた社会を生み出すために、市場の広がりを奨励した。それから3世紀経った後に、多くの人々が市場を道徳の腐敗に関連付けるようになってしまったのは皮肉なことだ。ちょうど現代の市場に対する支持者が効率性の限界を見逃しているのと動揺に、もしかして批判者は市場に協調の精神に貢献する側面があることを軽視しているのかもしれない。(pp.173-4)


ーー出所した当日はなにをしましたか?

ーー1月9日でした。母が出口で待っていました。午後には女といっしょでした。刑務所で耐えがたいのは女がいないことです。おそらくもっともつらいのはそれですね。いっしょにいた女には、わたしがムショから出たばかりだとさとられました。私が千フランの札をまちがえたからです。青い札(五百フラン紙幣)までしか知らなかったので。足が痛くてね。せめて2ヶ月間は、うまく歩けるようにもっと大きなサイズの靴を買うべきでした。パリはいろいろ変わっていました。例えばモードです。女たちはわたしの青春時代よりもきれいになっていた。車の往来は幻想的でした。街なかにいることはふしぎな感じでしたね。わかりますか、厄介だろうなあ、また始めるのは、と思ったのは街なかでなんです。(マルグリット・デュラス『アウトサイド』、p.69)